岡山市・石村様の家づくり体験談

2018年6月28日から7月8日にかけて西日本を襲った集中豪雨。岡山市は7600棟以上の住宅浸水があり、なかでも東区平島地区は2230棟が浸水する甚大な被害を受けました。同地区に住む石村さんご一家のお住まいも浸水で大きなダメージを被ったのでした。

リビング

床上40㎝が浸水、家電や家具が部屋に散乱して

尋常でない雨が続いていたので、「もしかしたらと警戒していました。夜中の2時頃でした。家の周囲の用水が溢れて田んぼが浸かり、さらに水かさが増していったんです。あわてて両親と妻を起こして車で逃げました。岡山市に連絡を入れると、近所の小学校に避難するようにという指示でした。でも、周辺の道路が浸水していてたどりつけない。完全に孤立していました。結局、敷地全体を高くしていたパチンコ店の駐車場で朝を迎えました。そこから家のあるエリアが見えたのですが、一面海のようだったのを憶えています。その日は赤磐の妻の実家に行って一泊して、家に戻ってきたのはその翌日です。
床上が40センチほど浸かっていました。水は引いていたのですが、家の土壁が浸かったところを境に、その下が全部崩れていました。家電も家具もほとんどが倒れて、部屋に散乱していました。でも、ある程度のことは近所に住んでいる息子たちから聞いていたので覚悟はできていたんです(冷蔵庫が水に浮いている写真を送ってくれていました)。そのときの気持ちは、ただただ「片付けが大変だ」でした。しかし、あのとき一番気にかかっていたのは、道を挟んですぐのところに住んでいる次男の家のことでした。あの大雨のあった前月の6月に新築した家の引き渡しがあったばかりだったんです。その真新しい家がどの程度被害を受けているのか、そればかりが気になっていました。

浸水
浸水

 

家があるだけまだマシ、ありがたいと思った

被害を免れていた2階に生活しながらひたすら後片づけに追われる、そんな日が二カ月ほど続きました。友人や親戚が手伝いに駆けつけてくれて、大阪にいる長男も手伝いに帰ってきてくれました。息子の友達も大勢やってきたし、ボランティアの人たちもたくさん手伝っていただきました。あの雨が上がってすぐ、ものすごく暑い日が長く続いたんです。あまりに暑くて、手伝ってくれる人たちに本当に申し訳なかったです。
体力的には相当にキツかったですね。ゴミがいくらでも出てくるんです。濡れた畳があんなに重いと知りませんでした。一枚一枚うちの畑に持って行ましたが、畑はゴミですぐにいっぱいになりました。カラダがキツ過ぎると、あまり余計なことは考えられないんです。毎日ただ黙々と作業していたように思います。でも、真備の被害の詳細はニュースで聞いていたので、自分たちはまだマシと、家があるだけありがたいと思えました。
次男の家は、甚大な被害はなかったものの、基礎部分にたまっていた水を全部ポンプで抜くなど、修復作業には結構な手間がかかりました。しかし、施工をお願いしていたおかやま住宅工房の中川さんが実によくやってくれました。本当に大変な思いをされていたと思うんです。その様子をずっと見ていたというのもあって、この家の全面リフォームをおかやま住宅工房にお願いしようと、思うようになっていったんです。

玄関
お客様

 

近い将来、三世帯が住む家に

いつかはリフォームしなければならなかったんです。この家は築25年、純和風の木造二階建てです。ちょっと変則的というか、基本3つの塊がくっついている家なんです。東から両親の住居、真ん中がわたしたちの住んでいる母屋で、農道に面した西側に妻のパン工房があります。まず両親の家から第一期の工事に入りました。2018年の8月のことです。その工事の終わりが見えた秋頃から母屋のプランニングに入りました。

ダイニング
ダイニング

 

暖炉
キッチン

3人の息子たちの独立した部屋があった2階は、水回りを加えてリビングを作り、一世帯が住めるようにしました。1階はわたしたちの居住空間です。全体的に北欧調のトーンにしてもらいました。シンプルで落ち着いた雰囲気がわたしも妻も好きだったんです。照明にはこだわりたかったので、おかやま住宅工房にはいろんなアイデアをもらいました。リビングの南面は、お勧めしてもらった、桟のない、大きなガラスを使用した窓にしました。以前は桟だけでなく欄間もある窓だったので、ずいぶんと部屋が明るくなりました。
前からあった薪ストーブは本体を新しいものにしました。リフォーム前は、薪を南側の窓からリビングに入れていました。でも、ストーブのある部屋の奥まで運ぶので、薪くずが部屋によく落ちていたんです。リフォームではそのあたりの動線もよく考えてもらい、ストーブの近くに勝手口を造って、薪を運ぶ動線を新しくしました。おかげで部屋はいつも綺麗です。キッチンは対面式にしました。妻の身長にすべて合わせて作ってもらい、壁は白いタイルを貼るなど、すべて妻の意見や好みを反映してもらっています。
リビングの隣にあった和室はほとんど使うことはなく、死に体の部屋でした。今回のリフォームでは、この部屋を第2リビングにしました。孫たちがみんな揃うと結構な人数になるので、従来のリビングだけでは狭いんです。この第2リビングのおかげで、みんなが集まってもゆとりが出ましたね。
近い将来、三男夫婦が2階に住む予定です。三男は今年の2月に結婚したばかりで、いまはまだアパート暮らしでふたりだけの生活を楽しんでいます。彼女は結婚前に、この家の片付けを一生懸命手伝ってくれていたんです。この新しい家で三世帯が暮らす日がやってくる、賑やかになると思います。いまからとても楽しみです。

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